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<広がるか賃上げ 2015年春闘>
若手確保へ初任給アップ 中小土木建設 大手に苦渋の対抗

中日新聞掲載記事「大手と値上げ交渉を」

全国的な人手不足を背景に、中小企業の間で初任給を引き上げる動きが広がっている。特に土木建設業は東京五輪開催に伴う特需で職人が引く手あまたの中、若者を確保してつなぎ留める動きが目立つ。人材を囲い込む大手に対抗せざるを得ない事情があり、固定費の増加につながる賃上げと人材確保の両立に悩む声も聞こえてくる。

北見式賃金研究所(名古屋市)が二月、東海三県(愛知、岐阜、三重)の中小企業百四社に行った調査によると、今年四月に入社する新入社員の初任給を上げる割合は18%で、一年前の調査から5ポイント上昇した。

北見昌朗所長は「少し前までは就職難で人が採れていたので、初任給は話題にすら上らなかった」と指摘。ここ二年ほどで初任給を上げる動きが出てきたといい、「十年以上据え置いた初任給を久しぶりに上げるケースが目立つ」と話す。

北見式賃金研究所の調査では、昨年春に初任給を上げた中小企業のうち、すべての世代で一律に賃金を上げたのは半数に満たなかった。北見所長は「人が採れないがゆえの苦し紛れの初任給アップ。やはり人件費の負担は重いので、若手に限って賃金を上げる中小企業が多い」と話している。

(2015年2月21日 中日新聞)