給与のココが問題! Q&A
こんなことがあって良いのですか?
58歳(男性・勤務年数40年・高卒・現業職)は基本給30万円+時間外手当10万円で賃金総額が40万円。賞与は基本給の3ヵ月分で90万円。年収は570万円。
35歳(男性・勤務年数5年・大卒・課長)は基本給25万円+管理職手当5万円で賃金総額30万円。賞与は基本給の4ヵ月分で100万円。年収は460万円。
問題は基本給にある
“過去の昇給”の累積が、現在の基本給になっている。
18歳で16万円が初任給だとすれば、複利計算で55歳では次の金額になる。
3%時代 → 47万円
2%時代 → 33万円
1%時代 → 23万円
実質基本給はいくら?
㈱北見式賃金研究所の「ズバリ! 実在賃金」によれば、実質基本給(所定内賃金から役職・家族・住宅・精勤・資格などの手当を除外したもの)は、一般男性社員で次の金額だった。平成23年6月の賃金を調査。
30歳 | 40歳 | 50歳 | |
---|---|---|---|
愛知県 | 21万1000円 | 25万4000円 | 26万4000円 |
首都圏 | 22万1000円 | 24万8000円 | 26万8000円 |
関西圏 | 21万円 | 24万8000円 | 27万5000円 |
25万円未満が7割 30代男性
一般男性社員の基本給は 『25万円』という金額を境目にして検証すると、そこには大きな年代格差がある。愛知県版のデータから。
30代 25万円以上 25万円未満
30% 70%
50代 25万円以上 25万円未満
61% 39%
賞与の見直し
賞与を計算する時は『みなし基本給』で行う。
一般社員の場合は『上限』を適用
基本給25万円を上限として計算する。その上で、達成手当の相当額を控除する。
管理職の場合は『下限』を適用
30万円未満の基本給の場合は、30万円をもとに計算する。その上で、業績が良い時は一般社員よりも月数も増やす。
冒頭の事例は賞与をこのように是正
58歳(男性・勤務年数40年・高卒・現業職)
基本給25万円 × 3ヵ月分 = 賞与75万円
ただし達成手当5万円の分だけ控除するので賞与は「15万円」になる。
35歳(男性・勤務年数5年・大卒・課長)
基本給30万円 × 4ヵ月分 = 賞与120万円