週刊文春(平成28年1月28日号)に、北見昌朗のコメントが載りました。
「緊急特集 アベノミクス“逆噴射”で夏のボーナスが危ない」
賃金問題に詳しい北見式賃金研究所の北見昌朗所長が語る。
「民間給与実態調査という国税庁のデータを見ると、アベノミクスが家計に及ぼした影響の本質が見えてきます。
企業規模は資本金別に区分されていますが、最大の「資本金十億円以上」と、最小の「二千万円以下」を見てみましょう。さらに正社員の年収を①四百万円以下、②八百万円以下、③八百万円超と三分類します。
平成二六年の実績を見てみましょう。資本金十億円以上の大企業に務め、年収八百万円を超える男性正社員は一六八万人でした。八百万円以下は二八六万人、四百万円以下は五十万人です。つまり33%が年収八百万円超という高給ぶりが伺えます。
これに対し、資本金二千万円以下の中小企業ではどうだったか。最も多いのは年収四百万円以下の二三八万人、次いで八〇〇万円以下が一七八万人。八〇〇万円以上の高給を取っているのはわずか八万人しかいなんです。つまり年収八百万円超は2%のみで、56%が四百万円以下です。
さらに、平成二四年と比較すると資本金十億円以上の会社に勤めて八百万円以上の年収を貰っているサラリーマンは二十一万人も増えている事が分かります。逆に、非正規雇用の女性は同じ二年間で七十一万人も増加しました。
過去二年続けて大手が賃金を引き上げましたが、アベノミクスは一部の高年収の人と、大半の中小企業サラリーマンや非正規雇用者との格差を拡大しただけなんです」
根拠は国税庁のデータです。
第7表 企業規模別及び給与階級別の総括表
24年 https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2012/minkan.htm
26年 https://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2014/minkan.htm