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「固定残業代」のため基本給の低さがスッポンポンに

「固定残業代」問題への対応セミナー

ハローワークが求人票の指導強化へ

「固定残業代」とか「みなし時間外手当」などと呼ばれる手当があります。

「固定残業代」には営業手当(卸売業)、現場手当(建設業)など、さまざまな名称のものがあるようです。

賃金には、始業から終業までに対応した所定内賃金(基本給および家族手当・住宅手当・皆勤手当など諸手当)のほかに、所定外賃金(時間外手当)があります。固定残業代とは、所定外賃金(時間外手当)のことです。

本来なら、やった分だけを払うべき時間外手当を毎月定額にすることで、初任給の額を底上げをすることを目的に支給されてきました。

この固定残業代について、ハローワークは、どれくらいの時間分の残業代なのか、求人票のチェックを強化し、適正化を図るようになりました。おかげで基本給が低いと、そのことがスッポンポンになり、応募者がサッパリ集まらなくなってしまいます。もし「ブラック企業だ」と評判になってしまうと、もう事業継続は難しくなってしまいます。

まずは、ハローワークのインターネットサービスで求人票を見てみましょう。

ハローワークのインターネットサービス

1. 「求人情報検索」をクリック

2. 「一般(フルタイム)」を選択

3. 「都道府県」で、愛知県を選択

4. 「詳細条件入力」をクリック

5. フリーワード欄に「固定残業代」と入力

6. 検索へ

すると、求人票の中に「固定残業代」という言葉でヒットした求人票が出てきます。たとえば、こんな感じです。

a 基本給(月額平均)又は時間額
170,400円~270,000円
b 定額的に支払われる手当
固定残業手当 51,000円~80,000円
a + b
221,400円~350,000円
※固定残業手当は、40時間/月の固定残業分として残業の有無にかかわらず支給。40時間を超えた場合は追加支給。

応募者から疑問の眼差しが…

ハローワークは、このように「固定残業代」の内容を具体的に書くように指導を強化するようになりました。初任給の内訳がハダカにされてしまうのです。

このような求人票になると、応募者はこんな疑問を持つのではないでしょうか?

× 基本給が17万円か! 要するに時給1千円ということだな。

× 残業代が5万1千円だって! 遅くまで残業させるのだな。

× どうも、ブラック企業のような気がする。

たとえば卸売業では…「へえ、初任給23万7000円とは高いな」

でも実際は…

初任給
(A+B+C)
基本給
(A)
その他手当
(B)
みなし時間外
手当(C)
237,500 162,000 16,000 59,500

そうなると、こんな印象が…

「なんだあ、基本給が16万円か! 時給にすれば900円じゃないか」

このように初任給の内訳がハダカにされると、基本給の低さがバレバレになってしまいます。

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