もう迷わない!北見式の「賃金決定」手法を公開
こんなお悩みを抱えていませんか?
- 中途採用をする際に参考になる賃金データが無いので困っていませんか?
- ヨソがいくらの昇給をしたのか? 本当のところはいくらか知りたくないですか?
- 「こんな給料ではみんな辞めますよ」と従業員から言われたこと無いですか?
- 新聞に載っている情報(昇給や賞与、退職金)を見て、ホントかなあ?と疑問を持ちませんか?
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- 課長の賃金っていくらなのか知りたくないですか? 年収・賃金総額・基本給etc
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初任給を提示したら応募者に辞退された!
賃金に関して、北見昌朗自身が体験した悔しい話をしましょう。
社会保険労務士の業界も求人難でした。名古屋の社会保険労務士事務所の求人票なんて、昔ならほんの数件あれば良い方でしたが、今では山のように出てきます。名古屋の社会保険労務士事務所の所長はどこでも求人難で困っています。
さんざん求人広告を出して、ある方が応募して下さいました。履歴書を見ると、中小企業では採用しにくいような立派な職歴です。お会いしてみると、明るくて良い感じです。つい採用したくなりました。そこで採用の内定を伝えました。
賃金決定は、中小企業向けの賃金コンサルタントとして北見昌朗の本業ですが、迷ったのは初任給でした。
北見式賃金研究所は賃金データが豊富なところだと思われていますが、その当時はそうでもありませんでした。
愛知県下の中小企業の初任給は、労働局のサイトで新卒ならば公開されていますが、中途採用の場合はどこにも参考になる賃金データがなかったのです。
賃金をどうしたものかと悩みつつも、応募者の方に賃金を提示しました。
「考えさせて下さい」
が、その方のお返事でした。そして翌朝になると
「せっかくですが辞退させて下さい」
というお電話。きっと賃金が気に入らなかったのでしょう。
ガーン! 電話を切った後で、北見昌朗は思わず溜息を吐きました。賃金決定の難しさを実感しました。
中途採用者の初任給をじっくり調べた
中途採用者の賃金決定の難しさを実感した北見昌朗はモンモンとしました。いや、実のところムカムカしました。逃した魚は大きく思えるもの。
そこでフト思い浮かべたのは、世の中小企業の社長の悩みです。考えてみれば、次の通りでしょう。
「中小企業の社長は、中途採用者の賃金決定で困っている」
「中小企業の賃金明細を見ると、異様に高い賃金の人がいるかと思うと、異様に低い賃金の人もいる。社長に『なぜ、こうも凸凹があるのか』と尋ねると『前職の賃金を訊いて、それに合わせたらこうなってしまった』と困った表情」
「中小企業の社長にとり、中途採用者の賃金決定は、いってみれば“目隠しして行うスイカ割りゲーム”と同じだ。それぐらい自信のない仕事になっている」
北見昌朗は、改めて中途採用者の賃金決定の重要性と意義を感じました。そこで思い付いたのは「ズバリ! 実在賃金」のデータの活用でした。
「ズバリ! 実在賃金」は、ナマの賃金データを大量に集めてプロットしたものです。その賃金データの中で「勤務年数1年未満」の従業員を調べれば、中途採用者の相場を割り出せるのです。
「灯台もと暗し」といいますが、探さなくても賃金データは北見式賃金研究所のパソコンの中にあったのです。
そこで作成したのが下記のグラフです。縦軸が金額で、横軸は年齢です。(ネット上では縦軸の金額が非表示になっていうます)。
グラフは3種類あります。基本給、所定内賃金(家族手当・住宅手当・皆勤手当等を足したもの)、賃金総額(時間外手当を含む。賞与含まず)です。通勤手当は除外されています。
画像クリックで拡大版をご覧いただけます。このグラフを使うと、中途採用者の賃金決定に関して、中小企業の社長からの質問に対して次のように即答できます。
中小企業の社長にこの賃金グラフを見せると、パッと顔の表情が変わります。北見昌朗が説明しているのに、目はじっとグラフを見続けます。そして、こんな質問をしてきます。
「この賃金を払えば、人を採用できるのですね?」
そう訊かれると、北見昌朗は思わず笑っちゃいます。
「採用できるかどうかはわかりません。ただし、こうはいえます。その賃金を提示して、それでも来なかった場合は、ご縁がなかったものと諦められます」
そういわれると、たいていの社長はニッコリと頷きます。
中途採用者の初任給グラフから基本給の合理的な決定方法を思い付く
この中途採用者グラフの作成が契機になって、賃金コンサルタント北見昌朗の頭は動き出しました。
「この中途採用者の賃金データは使える。いってみれば、これは賃金の下限を示すものだ」と考えたのです。
北見昌朗の考えでは、基本給は「年齢給+勤続給+査定給」の合計値です。入社1年未満の人は「勤続給+査定給」がないので、いってみれば「年齢給」のみだと考えれば良くなります。
そうなりますと、次のような方程式ができます。
東京都の中小企業の場合
まず東京都の賃金相場を前提にします。従業員規模が30人程度の中小企業とします。
「中途採用者の初任給相場(所定内賃金)=基本給の中の年齢給+諸手当(皆勤手当など一律的に支給されるもの)」
例:30歳の男性社員(総合職)の賃金とは?
中小企業が採用したがるのは若年層ですので、30歳という年齢に絞ってご説明しましょう。
「ズバリ!実在賃金」によれば、勤務年数1年未満の男性社員の基本給は、24万1千円(2024年度・東京都・中小企業)でした。これが「年齢給」に該当するのです。
また、新卒から勤務してきた男性社員の基本給は、26万9千円(2025年度・東京都・中小企業)でした。この差額である2万8千円が「勤続給+査定給」に該当するのです。
そこまでわかれば基本給設計は、賃金コンサルタント北見昌朗にとり容易です。その年齢給の一部をお見せしましょう。
これは22歳から30歳までの部分です。大卒初任給である20万5千円から1歳につき2000円ずつ上がっています。この表があれば、30歳の年齢給は24万1千円だと即答できます。
30歳 | 2,000円 | 241,000円 |
---|---|---|
29歳 | 2,000円 | 239,000円 |
28歳 | 2,000円 | 237,000円 |
27歳 | 2,000円 | 235,000円 |
26歳 | 2,000円 | 233,000円 |
25歳 | 2,000円 | 231,000円 |
24歳 | 2,000円 | 229,000円 |
23歳 | 2,000円 | 227,000円 |
22歳 | 2,000円 | 225,000円 |
会社に諸手当があれば、この基本給(年齢給)に加えて下さい。例えば、子供一人につき1万円出しているというのならば、こうなります。
基本給 | 241,000円 |
---|---|
家族手当 | 10,000円 |
通勤手当 | 実費 |
時間外手当 | やった分だけ |
賃金総額 | 上記合計額 |
もの凄く単純な算数ですよね。この単純さこそ、北見昌朗が目指すものです。
次に、同じく東京都でも、もっと企業規模の大きな場合を論じます。仮に従業員200人ぐらいの中堅企業だとします。その場合はベースが上がり次のようになります。
基本給 | 261,000円 |
---|---|
家族手当 | 10,000円 |
通勤手当 | 実費 |
時間外手当 | やった分だけ |
賃金総額 | 上記合計額 |
従業員の“あるべき基本給”も一発決定が可能に!
北見昌朗の考えでは、基本給は「年齢給+勤続給+査定給」の合計値です。
年齢給は35歳まで上がるように設定しています。中小企業が採用したいのいは35歳以下だからです。例えば、45歳の人が応募してきても、35歳扱いでの賃金になります。
勤続給は、1年につき1000円ずつ昇給するようにしています。ただし10年で打ち止めです。
査定給は、人事考課のABCに応じた額となります。
一つの例を挙げましょう。
製造業のA社は求人中です。担当する仕事は技能が必要なので、会社は長期的な考えで熟練工の育成を目指しています。募集していたところ、Aさんが応募してくれました。さて、その初任給はいくらでしょうか? 会社は子供1人につき1万円の家族手当があります。
Aさんは35歳、大卒。一般従業員。子供配偶者および子1人。未経験者。
答えは、次の通りです。
基本給 | 221,000円(年齢給相当) |
---|---|
家族手当 | 10,000円 |
通勤手当 | 実費 |
時間外手当 | やった分だけ |
賃金総額 | 上記合計額 |
社長は表さえあれば、それを見ながら自信をもって賃金を提示できるようになります。
ちなみに同じ職場には、Bさん、Cさんという先輩従業員もいます。
Bさんは、勤務年数20年、50歳、大卒。元課長で、今は一般従業員。
Cさんは、勤務年数5年、40歳、高卒。一般従業員。
それではABCという3氏の基本給は、いくらでしょうか? 仮に3人とも平均的な評価(B評価)だったとします。
年齢給 | 勤続給 | 査定給 | 基本給合計 | |
---|---|---|---|---|
Aさん | 221,000円 | 0円 | 0円 | 221,000円 |
Bさん | 231,000円 | 10,000円 | 52,000円 | 293,000円 |
Cさん | 231,000円 | 5,000円 | 10,000円 | 246,000円 |
なぜ、そのように決まるのか? ですって。
北見昌朗の手元には、年齢給表、勤続給表、査定給表があるからです。それを見れば、1秒でわかります。
あとは、諸手当を足すだけです。それで賃金決定は完了です。
各社各様になる基本給表
この基本給表は、顧客に提供する際は、各社各様になります。それは前提条件の違いからです。
Q 皆勤手当が支給されていないか?(その皆勤手当の分だけ、基本給を下げることがありえます)
Q 大卒採用が主か? 高卒採用が主か?(基本給ベースが異なります)
Q 技術系の職種か?(賃金相場が高くなります)
このあたりは、顧客のニーズに応じての設計になります。
全国の中小企業の社長さんへ
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