給与トップ> 給与のココが問題!Q&A> 通勤手当に関する相談> 異様に大きな額の通勤手当の申請が出た。会社は通勤手当を申請通り払うべきか?

給与のココが問題! Q&A

社長 通勤手当のことで相談させてください。

某女性社員の給与が目に止まりました。高校卒業したばかりの事務員さんで、給与は15万円です。ところが通勤手当の欄をみると4万円出ています。担当者に確認したところ、高校卒業時には近くに住んでいたが、その後で引っ越して、遠隔地から通い始めたというのです。

こんな通勤手当を、会社は払う必要があるのでしょうか?

北見 結論を言えば、そんな通勤手当は払う必要はないと思います。通勤手当の支払い方は、会社独自に決めれば良いことで、労働基準法でも定めがありません。
社長 そうですよね。どう考えても意味のない通勤手当です。でも、通勤手当というものは、どの会社でも出していますが、そもそも会社の承認という手続きを義務付けられるものでしょうか? 会社が「今後は高額な通勤手当を支給できない」と言い渡したら、その女性社員の親が「会社が通勤手当を認めないなんて聞いたことがない」と言ってきました。
北見 ひょっとして、女性社員の親は公務員?
社長 そうです。税務署の職員です。
北見 やっぱりそうですか。公務員の世界では、通勤手当には「承認」という感覚はありません。本人が申請してきたら、そのまま通勤手当を出すのが当たり前だとなっています。
社長 民間企業では、そんな通勤手当は非常識ですね。
北見 通勤手当は、会社が給与の規程の中で定めれば良いことです。だが、案外この給与の規程作りが難しいのです。通勤手当といっても、主に2種類あります。公共交通機関を使う場合の通勤手当と、マイカー通勤の場合の通勤手当です。

公共交通機関の場合は、電車やバス代などの実費を支給する訳です。ただし「通勤手当は2キロ以上の場合に支給する」とか「通勤手当は会社が認める最も経済的なコースで計算する」と規程には入れて下さいね。例えば次のような事例があったとします。

自宅  → (1キロ 自転車)→  駅 →(5キロ 電車)→ 駅 →(1キロ バス)→ 会社

この場合は、(5キロ 電車)の電車代を支給して、(1キロ バス)のバス代は支給しないでもよいと思います。

社長 へえ、そうですか? 当社の場合は、そのバス代も払っていますが―。
北見 距離1キロのバスなんて、本当にバスに乗っていますか?
社長 いいえ、実際には歩いています。健康のためだとか言いながら。通勤手当をもらいながら、実際には乗らないなんて、不正ではないかと思いますが、そうなっています。
北見 それは不正です。公務員の場合なら公金横領で懲戒免職の世界です。
社長 通勤手当は毎月のことですから案外大きな費用ですね。再度、全社員の通勤の実態を再チェックして、適正に払うように見直します。
<給与の実践コンサルタント北見昌朗のホンネのつぶやき>
「マイカーで通勤してい人が自転車に乗り換えたら、名古屋市役所では通勤手当を倍もらえるそうです。エコだからです。でも民間企業の場合は逆。自転車で通勤する人に通勤手当なんて不要です。セコだからです」

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