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「定額残業代」のため基本給の低さがスッポンポンに

名古屋商工会議所の会報誌『那古野』(平成28年9・10月号)に北見昌朗が記事を投稿しました。

第4回目 ライバル会社を徹底調査する


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「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という孫子の言葉があります。これは求人においても、そのまま当てはまります。

ライバル会社の求人情報を調査することは、求人作戦の第一歩です。今回は、その極意を伝授しましょう。それに役立つのがハローワークのインターネットサービスです。「フルタイム 名古屋市内」という条件で1万5千件(平成28年6月時点)の求人票が出てきましたから情報量が凄いです。

仮に名古屋市内で、自動車部品製造業の会社が、NC旋盤の技術者を募集するとします。その場合は、こんな感じで検索をすれば良いです。求人情報として「フルタイム」を選ぶと、その中に雇用形態が分かれていて、その中で「正社員」を選択。希望する産業として「輸送用機械器具製造業」。就業場所として「名古屋」。フリーワードとして「NC旋盤」。ここまで絞ると、求人票は8件になりました。

求人情報を一覧表にしてみました。初任給は「19万円から30万円」などと幅を持って表示する場合が多いですが、その低い金額の部分を見ますと、23万円台2社、22万円台1社、19万円台3社、17万円台2社となっていました。

年間休日数を調べてみると、107日3社、105日2社、101日1社、96日1社、92日1社となっていました。

ここまでチェックすれば「初任給は20万円以上、かつ、休日数が105日以上」でなければ求人の土俵に上れないことがわかります。それより下は引き立て役です。ここで検討したいのは、目標の定め方です。できれば「世間相場プラスアルファ」を目指したいもの。ということは、「初任給21万円以上、かつ、休日数が108日以上」ぐらいがふさわしいのかもしれません。

初任給を引き上げれば、給与全体に響きますので、ここは経営体力を考慮して決定するところです。

民間求人サイトでも、同様にライバル企業調査を行って下さい。

このようなライバル調査を行った上で、ベンチマーキング企業を特定すると良いでしょう。「あの会社だけには負けたくない」と思っている会社のことです。そこと自社を徹底比較して、どこが負けているのかを調査するのです。少しでも上をいくように心掛けたいものです。

無名の中小企業の採用力を決める要素は「初任給×年間休日数×勤務場所×ホームページの出来」だと思います。

最近力を入れたいのは、求人を意識したホームページです。明るい色彩か? 笑顔の社員が紹介されているか? 仕事のやり甲斐を感じるか? 社内コミュニケーションの良さは? 等々を感じさせるようにして下さい。スマフォで見た時に、ライバル会社に負けないようにしたいものです。

話のポイント
・ライバル会社の求人情報を徹底調査する
・そこより少しでも上の初任給と休日を提示しよう
・サイトの充実も忘れずに