家族手当を「子供手当」に変更を!
- 「家族手当」を「子供手当」と呼び直す
- 北見昌朗が提案する子供手当
- 子供手当の規程案
- 属人的賃金は“合計額”でチェック
- 「家族手当を支給する会社」が減っている
- トヨタ自動車の家族手当見直し
- 未婚率・離婚率はどれだけ上がっているか?
- 離婚後の養育費はいくらが相場か?
- 子供手当を支給した場合、公的手当に影響は?
- 配偶者手当は古い? 変わる職場や家族
- <変わる主婦の働き方> 廃止相次ぐ配偶者手当
- 「配偶者控除」の廃止で考えられる「女性の働き方の変化」と「会社の対応法」
- 「長時間勤務の非正規として勤務する中高年の主婦」が増える?
- <会社の対応策その①> 家族手当の見直し(このページ)
- <会社の対応策その②> 地域限定正社員制度の整備
- 配偶者控除が無くなる日(PRESIDENT Online掲載)
- 「103万円から130万円へ」チョビッと伸びそうなパートの勤務時間
- これまでのパートの働き方「103万円の壁」(このページ)
- これからのパートの働き方「130万円の壁」
- 「106万円(月額8.8万円)の壁」とは?
- 健康保険の被扶養者の壁(130万円)
- 「配偶者控除」拡大で注目される「家族手当」の見直し(家族手当調査結果)
- <中日新聞掲載>家族手当見直し広がる
- 名古屋商工会議所会報誌『那古野』掲載より
「配偶者控除」の廃止で考えられる
「女性の働き方の変化」と「会社の対応法」
<会社の対応策その①> 家族手当の見直し
「配偶者控除」の廃止で考えられる「会社の対応法」を考えてみる。まず頭に浮かぶのは、家族手当の見直しだ。
人事院の「平成27年職種別民間給与実態調査」によれば、76%の会社が家族手当を支給している。そのうち、配偶者に家族手当を支給しているのは90%に達している。
その配偶者に対する家族手当は、所得制限がある会社が84%あり、その所得は103万円が68%、130万円が25%だという。
支給基準である103万円というハードルが無くなってしまったら、会社はどんな対策を講じるのだろうか? 考えられるものを列挙してみた。
①健康保険の扶養の基準(130万円)に切り替えて、家族手当を従来通り支給する
②家族手当を廃止する
③配偶者分を廃止して、子供分を引き上げる
上記の中で、一番、従業員からの反発が少ないのは「①健康保険の扶養の基準(130万円)に切り替えて、家族手当を従来通り支給する」だ。これなら何の議論も起きない。
「②家族手当を廃止する」というのも、増える気がする。現に、東京都の中小企業賃金・退職金事情によれば、家族手当を支給する会社はこんな感じで減ってきている。
昭和57年 83.4%
平成12年 75.3%
平成26年 58.3%
しかしながら、単なる不利益変更では従業員からの反発も予想されるので、その承諾を得るのが大変そうだ。
「③配偶者分を廃止して、子供分を引き上げる」というのは、少子高齢化が進む中で、1つの対応策かもしれない。例えば、こんな家族手当があったとする。配偶者および子供2人という前提だ。
配偶者分8千円 + 子供分4千円 + 子供分4千円 = 合計1万6千円
このような場合は、こんな感じで見直したらいかがだろうか?
配偶者分ゼロ + 子供分1万円 + 子供分1万円 = 合計2万円
このようにすればプラスマイナスがあるので、人によって損得はあるものの、納得する人もいるかもしれない。
>次のページ <会社の対応策その②> 地域限定正社員制度の整備