家族手当を「子供手当」に変更を!
- 「家族手当」を「子供手当」と呼び直す
- 北見昌朗が提案する子供手当
- 子供手当の規程案
- 属人的賃金は“合計額”でチェック
- 「家族手当を支給する会社」が減っている
- トヨタ自動車の家族手当見直し
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- 「配偶者控除」拡大で注目される「家族手当」の見直し(家族手当調査結果)
- <中日新聞掲載>家族手当見直し広がる
- 名古屋商工会議所会報誌『那古野』掲載より
- 配偶者控除拡大でチョビッと延びるパートの勤務時間
- 「子供を重点に!」見直しが進む家族手当
- 経営にズシリ! 労基法改正に注目を(このページ)
- わかりにくい残業規制の「中身」 どうなる労基法改正!
- さあ困った! 消える、残業代。
名古屋商工会議所の会報誌『那古野』(平成29年7・8月号)に北見昌朗が記事を投稿しました。
第3回 経営にズシリ! 労基法改正に注目を
労基法改正が議論の的になっています。その改正のポイントは、残業時間の上限設定です。
「基本の基」からおさらいしましょう。そもそも労働時間は1日8時間、週40時間以内と定められています。「努力義務」ではありません。「残業代さえ払えば良い」というわけではありません。
時間外をさせるには、「36協定」という労使協定を労基署に届出する必要があります。その36協定の上限時間は「1ヶ月45時間」「1年間360時間」と大臣告示で定められていました。これが「大臣告示」ではなく「法定化」され、罰則も設けられる方向です。
また、36協定の上限時間を超過する場合には「特別条項」を付記することが必要です。その特別条項は「年6回まで」と定められていただけで、上限時間の制限はありませんでした。労基法改正案では「年間720時間まで」などと上限を設ける方向です。
この労基法改正は、大きな意味を持ちます。法令違反で時間外をさせた場合は即「違法残業」になり、バッサリと処分されかねません。
私は、この労基法改正が経営に大きな影響を与えると想像します。そこで「残業720時間ショック」と名付けました。「ショック」という言葉も過言ではないほど衝撃的です。
例えば、宅配便の運送会社をイメージしてみましょう。その日はクリスマスイブの12月24日で、倉庫にはケーキが山積みされていました。猫の手も借りたい状況ですが、従業員は口を開きました。「パートだから年収制限でもう働けません」「先月でもう上限に達したので残業はできません」「課長の私も超過できませんよね」。そう言われてしまったセンター長はもう真っ青。そんなことで結局ケーキを配り終えられませんでした。
さて、翌日です。ケーキが届かなかったことに顧客は怒り、クレームの嵐です。
それから給料日です。ドライバーの奥さんは、給料が減ったことを夫に文句を言いました。「あなた、今月の給料低いじゃない」「だって残業させてもらえなかったんだ」「これでは生活できないと会社に言ってよ」。
人ごとではないことをおわかり頂けたと思います。世の中には山谷のある商売があります。例えば百貨店の中元歳暮とか、ショッピングセンターの年末年始営業とか、夏場のアイスクリームなどは、従来と同じやり方では難しくなると想像します。
法改正の動きをじっくり見守りながら、自社にどんな影響があるのか、どう対応するべきなのか真剣に考えていく必要があるでしょう。
「働き方改革」については、このコーナーでも連載します。
- 話のポイント
- ●36協定を出さずに残業させると「違法残業」に
●36協定の上限時間を超過すると「違法残業」に
●ビジネスモデルの見直しが求められるかも